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卒業研究

更新日:2016年4月23日

卒業研究論文

4年次になると、それぞれの学生に指導教員が1名つき、卒業研究論文の作成を行います。
テーマや指導教員は、学生の希望をふまえ調整のうえ決めることができます。約7か月にわたって、過去の研究論文を調べたり、調査や実験などを行なったりします。完成した卒業研究論文は抄録集としてまとめ、11月に発表会を行います。

卒業研究論文の紹介と感想

看護学生の知識・経験が精神疾患患者のイメージに与える影響

看護学生が精神看護学を学び、実際に精神看護学実習に行くことで、精神疾患患者に対するイメージがどのように変化するのかを明らかにするため、看護学生を対象に質問紙調査を行いました。その結果、看護学生は、実習の中で精神疾患をもつ患者と接触する体験を積むことで、ポジティブなイメージを持てるようになる可能性が示唆されました。
この調査は、患者に対するイメージの持ち方を学生が見つめ直す機会にもなったと思います。また、担当教員から細やかなご指導を受けながら研究を行えたため、研究方法や論文作成方法の勉強にもなりました。

空腹時と満腹時における味覚閾値の変化および間食が味覚閾値に及ぼす影響

海外の研究で、空腹時と満腹時では味覚閾値が異なるという興味深い文献がありました。そのことを詳しく研究することで、塩分摂取制限を必要とする患者さんの看護・教育支援に役立つのではないかと考え、このテーマを選び、実験をしました。
研究は、実験条件を統一することや、被験者を募集し、実験器具の操作法を覚え、プロトコール通りに実験を進めることは予想以上に難しかったです。しかし、得られた結果をもとに筋道を立て考察していくことが面白く、論文を書いている最中、この結果は必ず患者さんの看護に活かせると「わくわく」した気持ちになりました。

青年海外協力隊員が知覚した開発途上国における看護師養成教育の問題
-ラオス国における活動報告書の分析を通して-

開発途上国の看護師養成教育に携わる仕事がしたいという動機のもと、青年海外協力隊員が知覚した看護師養成教育の問題を明らかにし、隊員に期待される役割、能力、派遣前準備について学びを深めるために研究を行いました。
看護教育学の知識に乏しかったため、問題コードの作成やカテゴリ化の作業に大変苦労しましたが、指導教員のサポート受け、研究の信用性を確保できました。本研究を通して、問題をアセスメントする力、適切な看護実践、効果的な教授活動を査定・展開する力、コミュニケーション力を培うことの重要性を学ぶことができました。

看護学生の実習時寮生活における朝食摂取の実態および朝食摂取の促進要因・阻害要因に関する研究

看護学実習では寮を利用することがあり、慣れない環境の中で普段どおりに食事を管理することは容易ではありませんでした。そこで、寮生活における看護学生の朝食摂取の実態と、朝食摂取の促進要因・阻害要因に関する研究を行いました。
一つ一つの事柄に根拠づけを行い、手順を踏みながら研究していくことは、難しくもありましたが研究の奥深さも学べたように思います。今後看護師として、あらゆる分野の研究に携わっていくと思いますが、常に探究心をもった姿勢を忘れずに頑張っていきたいです。

被災地内看護師が抱えるストレスと対処行動について-東日本大震災の看護師の活動記録の分析-

東日本大震災の発生後、被災地で活動する看護師の報道を見て、災害看護に興味を持ちました。当初、この震災における看護の情報や、被災地内看護師に焦点を当てた先行研究が少なく、苦労しました。
情報収集のために参加した学会で、実際の活動報告を聞き、また看護師の活動記録本が発売中であることを知り、本研究で用いることにしました。その結果、災害時にできる看護を創意工夫する努力と、解決できない問題やストレスは外部からサポートを得る必要性が分かりました。研究を進める過程で学んだ研究のまとめかたなどを、今後にも活かしていきたいと思います。

小児集中治療室における看取り医療の現状と課題

私は、小児集中治療室(PICU)で将来働きたいと思っていました。PICUは、命を救う場であると同時に看取りの場であると感じ、看取りの医療・看護について研究したいと思い、このテーマに取り組みました。
看護師さんにインタビューした内容を、言葉の背景を汲み取りつつも、自分の憶測で飛躍したものとならないよう、重要なワードをコード化していくことが本当に難しく、悩みました。しかし、実際に現場の声を聞き、研究できたことで、実習や本を読んだだけでは知ることができなかった、子どもの看取りの看護、その背景にある看護師の思いを知ることができました。

在宅認知症高齢者の家族介護者の思いと、介護を継続するための効果的な看護援助の検討
-闘病記の分析を中心に-

実習で認知症の方を受け持ち、患者さんのご家族が在宅介護の中で抱く思いや、求めている支援について知りたいと思い、この研究に取り組みました。闘病記の精読を通して抽出した家族介護者の思いを、内容別に分類していく過程で特に苦労しましたが、指導の先生と1つ1つ納得いくまで話し合いました。
この研究を通じて実感したのは、家族介護者が抱える悩みに対し、様々な視点から看護師が包括的・継続的に支援し、家族と認知症高齢者との関係性の再構築の支援が重要であるという点です。今後も、家族の思いにも寄り添える看護師になれるよう努力していきたいです。